この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語
それは昭 和 一二十八年の梅雨の頃でした。私の住む鹿児島県大口市は純農村地帯なのでちょうど田植 えのまっさかりで 、 いわゆる”猫の手も借りたい I I ほどの忙しさです。 そんなある日のこと 、 知り合いの H 記者(南日本新聞社)が私の家へやって来ました。 「 先生 、 例のユニ姉妹 I I の家に行ってみませんか ? 」 と誘いにきてくれた です。 「 ああ 、 あの三姉妹:・・:」 そのときの私の偽らざる心境をいえば 、 とうとうこの日が来たか 、 そんな気持だったと思います。 かねて彼女たちのことをうわさに聞いてはいたものの 、 ついぞ自分から進んで訪れる勇気も 、 またチ ャソスもなかったからです。 読者の方々は『三姉妹』と聞い まっ先に浮かぶのはチェ ー ホフの戯曲 ^ 三人姉妹 > でしょう 。 だ が現実の 、 私の身近にいる三人姉妹は 、 チェ ー ホフの世界の彼女たちとはだいぶちがっているのです。 I f 焼野の雉子 “ の母性愛 14
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