この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語
この病歴に示されるように、長男と比較して発育が悪く、段階の異差があって、その発育の姿は長 女のあとを追うかのようでした 。 一 家の中に 、二人 の、這えない 、立 てない 、 歩けない 、 そして口もきけない重症の子どもが生まれ たことによって、家計はますます不如意となり、母親はこの二人の看護のためにまる一日が費 やされ 、 経済的にも、精神的にも苦悩 日の連続でした。 ”弱り目に崇 り目 I I とは、世の常、この苦しい 最中に 、またまた妊娠 の兆候です。昭和二 十九年の 四月のことでした。さ すがに気丈げな母も 、長女と次女の人並みでない障害児であることから、「も しや」との懸念があり ました。 しかし将来こ の二人の姉妹の行く末を考えますと 、もし生 まれる子が男の子であったら 、二人の親 が養うことができない日がきても、長男と二人で力を併せて、障害児の二人を養育してくれることで あろう。このままだったら、二人の面倒を見てやらねばならないのは長男一人だけであっ その負担 は更に増し、長男の不幸な人生の歩みは、前途暗滑たるも であることは火をみるより明らかであ 。 母親は迷いに迷い、易占いもし、神や仏にも祈り、できるだけのことをしました。そしてついに生 むことに決めたのです。 かし、一方ではこの病気は女だけがかかり、男の子に ないものと決めて かかっていたという話も聞き した。 生まれた子ども 、予想を襄切 っ てまた女の子でしたが 、 色が白くて発育もよく 、こ の子だけはと 26
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