この子らを救わん 愛の「おぎゃー献金」物語
く第 1 章> 天使の「三姉妹」 の場合、産婦さえ ゃんはどうなって 仕方ないという時 子と もに救えたのですから 一 時 はどうなることかとハラハ 、 貴重な酒を 持ち出し て振舞っ てくれます 。久し振りにクップリアルコ ールをきこしめした私は、帰り り のほろ酔いかげ んで、寒いデコボコ道も軽々とペ ダルを 踏んで帰ってきたものです。 我 が家の玄 関にたどりついたときには ツルリ とすべって傷だらけになり、家内にこっ く 叱られ たのを除けば、この日は我が人生最良の一 でした。 しかし話はここで終わ らなかっ たので す。そ の後 、例の産婦宅からは何の連絡もありませんので み 信じていました。 そうしてかれこれ十年くらい経ったころでした。このこ 私 が後で詳しく述べます『おぎゃ ー献 金』運動を始めたころですが 、 ある日 、十 五歳くらいの女の子を連れた母親が 私 の治療室を訪れたの です 。この母 子こそ私が開業して間もない、ある冬の夜、鉗子分娩によ って生ま れたあの子どもと母 親だったのです。今、そのときの子が私の目の前に立っています。 私は脳 天にガ ーソと大石 でも落とされたような気がしました。本当に身の毛のよだっ思いがしま し た 。 私 のこの手で ―つの生命を救い、産婦は もちろんの こ と 、 その家族や 助 産婦から感謝の言葉をも 37 らい、鼻歌 まじりで踏んだ自転車のペダル •…••。それな のに何 いうことでしょうか 。生まれた 子ど
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