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「おぎゃー献金」の発祥の地として、
「子育てにやさしいまち」日本一をめざしています。

鹿児島県伊佐市 隈元 新 市長

「おぎゃー献金」を活かし 子ども交流支援センター建設
 「おぎゃー献金」の生みの親である遠矢善栄先生が産婦人科医院を開業されていたのが、鹿児島県の最北にある伊佐市(旧大口市)です。人口28,000人ほどのまちですが、子ども一人ひとりの個性や家庭の状況に応じた子育て支援を重要課題に掲げ、「おぎゃー献金」発祥の地として「子育てにやさしいまち」日本一をめざしています。保健・医療・教育・保育・福祉の各分野が連携することで一貫して子育てをサポートし、地域で安心して子育てできる環境の整備と、心身に障害のある子どもたちに対する支援体制の充実に取り組んでいるところです。
 私は大学時代の4年間、京都の伯母の家に下宿し、知的障害のある4歳年上のいとこと一緒に暮らしました。そうした経験から、「障害をもって生まれたのは誰の責任でもなく、運命のわずかな行き違いによるもの。その子どもたちを支援するのは、行政が担うべき当然の役割である」という理念で長年、市政にあたっております。
 しかし、遠矢先生が「愛の献金」を呼びかけられた昭和38年当時、心身障害児への公的支援の仕組みは全く不十分でした。その時代に、遠矢先生は一人の医師として、支援の必要性を説かれました。それが「おぎゃー献金」となり、全国的な運動に発展したことは本当にすばらしいことです。
 伊佐市では、その遠矢先生のご遺志を何らかの形で実現したいと考え、寄贈していただいた遠矢産婦人科医院跡地に「伊佐市子ども交流支援センター笑(すまいる)」を建設、平成23年2月に開所しました。建設にあたっては「おぎゃー献金」より施設整備費として1,000万円のご寄付をいただき、心より感謝しております。


乳幼児から18歳まで 伊佐市独自の取り組みを展開
 "地域すべての人が笑顔になれるように"との思いを込めて整備した「伊佐市子ども交流支援センター笑」は、障害児支援や子育て支援の総合的中核施設で、療育と相談業務の2つの機能があります。
療育センターの「伊佐市子ども発達支援センターたんぽぽ」は、発達に不安のある乳幼児とその保護者が通園し、早期に適切な療育を行って、子どもの成長・発達を支援する施設です。かつては発達障害をもつ子どもと親の居場所がなく、支援の必要な子とその家族は孤立していました。そこで、私が市長に就任した翌年の平成9年に、市の療育事業として、毎日通える「子ども発達支援センターたんぽぽ」を設置。当初から「療育は義務教育と同じである」との考えで、保護者が利用しやすいよう無料化を実現しました。「子ども交流支援センター笑」の開所にともなって同センター内に移転し、現在は91名の障害児が療育を受けています。
 また、相談業務にあたる総合相談センターは、乳幼児から18歳までの子ども、妊娠期や子育て中の保護者の相談の場となるトータルサポートセンターです。個別の相談が必要な親子や障害・発達障害をもった乳幼児から、就労までの児童・生徒に対して継続的な相談・支援を行う拠点として新たに開設しました。総合相談センターがコーディネートして関係機関のネットワークをつくり、継続的なチームケアによって、子育てに関する相談・支援を多角的・効率的に行っています。
 さまざまな障害をもつ子どもたちの支援には、その地域にあった仕組みづくりが重要と考え、このように伊佐市独自の取り組みを展開しているところです。


子どもは地域の「たからもの」 障害児支援にさらに力を
 就学前の乳幼児期の支援を充実し、就学後も支援を続ける環境を整備しましたが、さらに、障害児が成長して大人になったとき、地域で暮らしていくための職業指導や働く場をどうするかという問題があります。伊佐市では、授産施設や企業での受け入れがまだ十分とはいえません。障害をもつ方の就労については、今後の重要な課題ととらえています。
 未来を担う子どもたちは、地域の「たからもの」です。伊佐市の市民憲章では5つの理念を掲げていますが、その第一は「ともに支え合い、思いやりのあるまちをつくります。」──これはまさに、遠矢先生の思いそのものといえます。これからも伊佐市は、心と体に障害をもつ子どもたちに思いやりの手をさしのべる「おぎゃー献金」の精神を受け継ぎ、「伊佐で子どもを育ててよかった」と市民の皆さんに実感してもらえるよう、子育て支援・障害児支援の充実に力を注いでまいります。


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